研究の背景
膵島移植は、糖尿病治療において有望な手法であり、通常は門脈内に移植されます。しかし、Instant blood-mediated inflammatory reaction(IBMIR)などの免疫反応により、長期的な移植片の生着が困難です。これを回避するため、腎被膜下や皮下などの代替移植部位が検討されてきましたが、低酸素や血管不足などの課題があります。
肝表面は豊富な血管と酸素供給があり、IBMIRや門脈圧亢進などのリスクが少ない有望な移植部位です。本研究では、ゼラチンハイドロゲル不織布(GHNF)と脂肪組織由来幹細胞(ADSC)を組み合わせた新しい肝表面膵島移植法の確立を目指し、その有効性を検証されています。
論文での使用方法と結果
GHNFは膵島移植時に肝表面で膵島を覆う材料として使用されており、膵島の生着を促進する役割を果たしています。
膵島はGHNFに播種してから肝表面に移植するよりも、膵島の上にGHNFを被せる方が血糖値や糖尿病治癒率が改善・向上することが示されています。
また、GHNFとADSCを組み合わせて移植に使用されることで、ECMの発現量が増加することや、GHNF内でADSCを事前培養することでレプチン、VEGF、EGF、IL-2、GROα、およびフラクタルカインなどの遺伝子発現量が変化することが報告されています。